Case #095: 交通事故による橈尺骨の複雑骨折の犬の症例 |日野どうぶつ病院|1

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Case #095: 交通事故による橈尺骨の複雑骨折の犬の症例

Case #095: 交通事故による橈尺骨の複雑骨折の犬の症例 |

症例の紹介です。

知人の獣医さんから相談を受けました。これはなかなか難しい印象です。
6kgぐらいのわんちゃん。原因は、交通事故です。
橈骨骨折の整復固定は良いとして、尺骨が最低3つの骨片に分かれているので、理想はプレートとスクリューによる内固定。最悪髄内ピンですが、入るかなぁ・・・。
あと、よく見ると橈骨骨折端付近にエアが入ってます。場合によっては、解放骨折なのかもしれません。感染があったら厄介ですね。
頭骨の関節部分はそんなに大きく変異していないように見えるので、輪状靭帯は生きてるか・・・?もし断裂していたら、そこも固定が必要か〜〜〜💦
交通事故による骨折の場合は、サードスペースに出血している可能性が高いので、すぐにオペをしないことが多いです。オペができる状態になるまで最長1週間ぐらい待機してもらうこともあります。

受傷から3日目の朝、来院されました。再度血液検査でチェックして、オペにかかりました。紹介の先生が大変しっかりと初期治療をしてくださっていて、ぱっと見は感染もなさそうでした。
尺骨側は筋肉はズタズタで固定はできても歩けるようになるのか・・・。
尺骨から固定を始めますが、小さな骨片を含めて4つに折れている粉砕骨折でした。こちらからは無理と判断して一旦閉創し橈骨側へ。
橈骨は綺麗な単純横骨折だったので4穴のプレートとスクリューで整復固定。
そして、尺骨に戻って・・・、なんとか骨折部位を跨ぐ架橋プレートでの固定ができました。

カントゥアリングは3次元的にも曲げなければならずちょっと大変でしたけど、ほぼほぼいい位置に持ってこれたかな。
術中レントゲンで橈骨の脱臼はなく、動きも問題ないので、輪状靭帯は生きていると判断しました。

治ってほしい!歩けるようになってもらいたいですね!

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